2024.04.26 密植のすすめ チューリップ
球根のお花を育てた方からのご質問で多いのが
「花が咲き終わった後はどうしたらいいの?」
というもの。

まず、花が終わったら葉は残して花ガラをすぐに摘みます。
花を付けたままにしておくとタネを付けてそちらに養分が取られて球根が十分に肥大しなくなるからです。
その後は定期的に肥料をやりながら葉が枯れるまで育てて球根を太らせます。
…というのが、ほとんどの球根植物の花後の手入れになります。
「数年は植えっ放しでよい」
と育て方に書かれてるものは特に掘り上げて植え替えなくても構いません。
数年経って混み合って花が咲かなくなってきたら植え替えます。
植えっ放しに向かない球根は葉が3分の1程度枯れてきたら晴れた日に掘り上げ、陰干しした後ネットなどに入れて風通しのよい日陰で植え付けまで保管します。(春植え球根の場合は凍らないように管理する必要あり。)
ただし、乾燥に弱い球根もあるのでその場合は掘り上げたらバーミキュライトやピートモスなど埋め、空気穴をあけたビニール袋に入れて保存する…など、それぞれの品目に合わせた管理が必要になります。
そして春のお庭には欠かせないチューリップも、この時期お問い合わせが多い球根植物です。
花後の管理としては定番の
「花ガラを摘んで葉が枯れるまで育て、葉が枯れてきたら掘り上げて乾燥させて…」
という方法で問題ないのですが、チューリップは球根が分球して小さくなってしまうので、小さい球根は植えても翌年花が咲かない可能性が高い残念な子なのです。
花が咲かない可能性の高いサイズの球根を、また植え時期に植えて育てて開花するサイズまで太らせる…という手間をかけていただくよりは、新しい球根に更新していただくのがお手軽かと思います。
…という説明を家族にもしたのですが、葉が枯れた後に掘り上げたら小さい球根がいっぱいあったので取りあえず植えてみたようで…。今春、葉は出てきましたが葉も小さく花はやはりほとんど咲きませんでした。
10球に1個くらいの割合で花を付けましたが親指の先位の大きさで(そのサイズ感、逆にレア?)やはり小さい球根は花が咲かないと実感しました。
という訳で、チューリップの球根は一番美しい状態を1回楽しむという植え方をおすすめします。

フリー画像で見つけたチューリップ畑。
カラフルな絨毯のように見えるのも花がギュッと集まって咲いていればこそですね。
ちなみに、庭が狭い我が家ではこんな感じで育てています。

品種によって開花期が少しずれるので(同じ品種でも個体差がありずれることもありますし…)1つの鉢に同じ品種のチューリップを密植して育てて開花のタイミングが揃った鉢を写真のように寄せて配置して大きな寄せ植えのように見せています。
多種多様な球根植物、性質に合わせて使い方と保管をしてガーデニングをお楽しみいただければと思います。