【野菜】祝蕾(子持ちたかな)の育て方
栽培地について
生育適温は10℃~20℃で、冬期が温暖な平坦地での栽培が適し、寒さが厳しい地方や積雪地域の露地栽培には適しません。 (栽培可能地域目安:南関東以南)
タネまき
早まきによる高温はとう立ちの原因になります。一方で、年内に株を大きく育てることが収量を増やすポイントとなります。(栽培ワンポイントの項目参照)。その為、まき遅の無いように注意しましょう。直まきも可能ですが、発芽・育苗の管理のしやすさや生育初期の害虫被害の多さを考えると育苗して移植栽培することをおすすめします。
ペレットコート加工したタネなので深まきしすぎないよう気を付ける一方、乾燥しないようにする必要もあります。発芽適温は15℃~25℃なので涼しい場所で管理します。タネまき後はしっかり水やりをし、発芽するまでは濡れた新聞紙などをかぶせると良いです。数日で発芽するので小まめに観察し、発芽したらすぐに光に当てて管理します。
畑づくり
定植2週間前に1㎡あたり苦土石灰100gを、その1週間後に堆肥3kg、化成肥料150~200g程度を施してよく混ぜておきます。根は浅く張るので水はけのよい場所を選び、粘土質土壌では高畝、砂質土壌では平畝とします。 1列で栽培するときは幅60㎝の畝を立てます。
定植
9㎝ポットの場合、タネまき後約30日の本葉4~5枚の苗を定植します。 株間は50cmで2条植えの場合は条間60cmを基準とします。
定植後の管理
年内に大きな株に育てる為、追肥をしっかり与えます。定植後20日後に1回、さらにその20日後にもう1回追肥します。追肥の総量は1㎡あたり化成肥料100~150g程度が目安です。追肥の際、除草も兼ねて中耕もしておきます。ただし、根は浅く張るので深く中耕しすぎないように注意します。なお、収穫物のサイズとは対照的に、十分に生育した株のサイズは晩生種のはくさい程度とかなり大きくなります。寒さには弱く、霜に当たった部分は傷んで腐ってしまいます。最低気温5℃以下になる時期を目安に、不織布のべた掛けをしましょう。栽培初期は他のアブラナ科同様、アオムシやアブラムシ、ヨトウムシの被害が多いです。特にアブラムシはウイルス病の原因となる為、初期からしっかり対策をとります。 使用できる農薬は「野菜類」の他、「なばな類」に登録があるものになります。
収穫
株を真上から覗き込んだときに、中心部にわき芽の塊が見えるようになれば収穫間近です。大きくなったわき芽を株の下側から順次収穫しても、株ごとまとめて収穫して一気にばらしても良いです。わき芽の他、若い葉は高菜のように、株の芯部も皮を厚く剥けばブロッコリーの芯のように利用できます。なお、収穫時期は栽培状況や株の状態で(特に栄養状態が良すぎると)遅れることもあります。一方で春になって暖かくなるととう立ちをしてしまいます。万が一、わき芽が出るのが遅れた場合、 とう立ちする前に早めに収穫するようにして下さい。栽培ワンポイント
年内に株を大きく育てる
わき芽を収穫する野菜のため、年内に葉枚数を増やす(株を大きくする)ことが重要です。「早まきによる高温・長日条件」 「肥料切れ」などは花が咲く原因になるため、タネまきは9月上旬~9月下旬(近畿地方標準)に行い、元肥・追肥をしっかり与えます。キーワード:祝蕾/しゅくらい/シュクライ/子持ち/高菜/たかな/タカナ
(シーズン外などで販売していない場合もございます)