【有用植物】宿根ネギの育て方
定番のお鍋やすきやきの具はもちろん、焼くだけでもおいしく、薬味としても大活躍のネギ。今回は、頭花(ネギ坊主)ができず株分けで増殖可能、またネギの流通の少ない5~6月に収穫できる坊主知らずネギと、頭花の代わりにヤグラのように小ネギを付けるユニークなヤグラネギの育て方をご紹介します。
植えつけ
植えつけの2週間前に苦土石灰100g/㎡、化成肥料100g/㎡、堆肥3kg/㎡を施し、耕しておきます。掘った溝の片側に垂直に立てるようにして15~20cmの間隔で植えつけ、 5cm程覆土します。乾燥や雑草対策として、敷きワラをしておくと良いでしょう。
水やり
土の表面が乾いたらたっぷり与えます。特に夏場は乾きやすいため、回数を多めにしますが、雨水を含む停滞水には注意し、排水良く管理します。施肥
草丈が15cm程になったら、株と株の間に化成肥料と油粕を2掴み程まきます(2年目以降の追肥の適期は4月と7月)。追肥後は肥料を混ぜ込むように軽く耕し、土寄せを することでやわらかい葉と葉鞘ができます。管理
2回目以降の土寄せは生育に応じて行い、最終的に葉の分かれ目から10cm程高い所まで土寄せします。目安として、最後の土寄せは5月下旬までに終わらせます。1年目は特に、子孫を残そうとしてネギ坊主ができることがありますが、できた場合は切り取りましょう。その後の生育には問題ありません。株分け用の親株を作る場合は、上記のような土寄せはせず、そのまま植え放しで育て、収穫と同時期の5~6月に株を分け、植えつけます。
収穫
最後の土寄せから35~40日経って十分軟白したのを確認し、晴れた日に収穫します。 その日のうちに皮をむいておきましょう。栽培ワンポイント
露地栽培の場合は、凍結や霜に当たる可能性があるため、寒冷紗や敷きワラで株を覆うように保護します。基本的には上記の対策で越冬しますが、それでも凍結の恐れがある寒冷地であれば、鉢植えにして軒下や倉庫に移動させ、凍結させないように鉢を段ボール等で覆って防寒すると良いでしょう。
●ヤグラネギ
薬味等に利用する、細い葉ネギが夏に収穫できます。
《5月頃》
頭花(ネギ坊主)の代わりに花茎の先に「珠芽」を付けます。
《6月頃》
珠芽の薄い膜が破れて小ネギが伸びてきます。小ネギの根元がポロッと自然に外れてくるので、それを1つずつ植えつけます。親株も植え替えておきましょう。
《7月頃》
伸びてきた小ネギと、親株から出てくる新芽を収穫します。 伸びてきた小ネギを収穫せずそのままにしておくと、親株になります。
キーワード:宿根/しゅっこん/シュッコン/葱/ねぎ/ネギ
(シーズン外などで販売していない場合もございます)