【果樹】イチジクの育て方
漢字では「無花果」と書きますが、イチジクも花を咲かせます。外観からは確認できませんが、独特なツブツブとした食感がイチジクの花で、実の中に花を咲かせます。原産地の野生種はイチジクコバチという虫によって受粉が行われますが、日本にはこの虫が生息していません。国内では、受粉をせずに果実が肥大する単為結果性の品種が流通しています。受粉作業が不要で、病害虫に強く丈夫なイチジクを育ててみませんか? 自分で収穫する完熟果の濃厚な味わいは、市販のイチジクでは味わえません!
植えつけ
イチジクは中性土壌を好むので、必要に応じて植えつけ2週間前までに苦土石灰を施しましょう。日当たりの良い場所で、苗のサイズよりも大きく穴を掘り、掘り上げた土には腐葉土や赤玉土、完熟堆肥などを混ぜます。浅めに植えつけ支柱を立て、株元には乾燥防止対策(敷きワラなど)を行いましょう。西日が当たる場所や、風が強い場所は避けます。地植えであれば、植えつけ時にたっぷりと水を与えた後は真夏などを除き水やりは不要です。イチジクは亜熱帯性果樹なので、寒さに強くありません。 初年度は防寒対策が望ましいです。
肥料
冬に元肥として有機配合肥料を与え、生育に応じて6月や秋頃に化成肥料を追肥します。樹勢が強い場合は、追肥を控えましょう。 植えつけ時に植穴に肥料を入れる際は、根に当たらないよう気をつけてください。
剪定
イチジクには、夏果専用品種、秋果専用品種、夏秋兼用品種の3タイプがあります。夏果と秋果は、それぞれ実が付く枝が異なります。夏果は、2年目になる枝の先端に花芽が付くため、冬に切り落としてしまうと実が付きません。
秋果は、春に伸びた新しい枝に花芽が付いて夏から秋にかけて実が大きくなります。
夏秋兼用品種では、どちらの特徴も持ち合わせます。どのタイプなのかは、実が付いている枝の色で判断できます。秋果は緑色の枝、夏果は茶色に変わった枝に付くので、収穫時の枝の色を目安に冬に切る枝を判断しましょう。
イチジクの仕立て方としては、一文字仕立てが樹高を低く保ち剪定も簡単ですが、枝先を切り戻す剪定なので、夏果専用品種には向きません。
夏果を収穫する枝を残しましょう。
病害虫
病害虫に強いイチジクですが、テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)には注意しましょう。6~9月に成虫が地際辺りに産卵して、ふ化した幼虫が幹を食害します。定期的に幹を観察して、木くずや糞などを見かけたらすぐに殺虫スプレーなどで駆除します。 忌避剤を定期的に散布、防虫ネットなどで幹を覆うなどの対策も望ましいです。
キーワード:無花果/いちじく/イチジク
(シーズン外などで販売していない場合もございます)